出不精日記

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カテゴリ:上橋菜穂子さんの本( 5 )

天と地の守り人 上橋菜穂子作

 「守り人」シリーズの最終巻です。



 「蒼路の旅人」で、タルシュ帝国に侵略されようとしている祖国新ヨゴ皇国を救うために、皇太子チャグムは隣国のロタ王国に同盟を結んでもらおうと、自分は死んだことにしてタルシュ帝国の手を逃れロタ王国へ向かいます。



 しかし誇り高い父帝は、他国に助けてもらうことを拒み、国境を封鎖して自分たちだけで戦うことを選びます。

 チャグムの教育係で星読み博士のシュガはチャグムを助けて欲しいと、かつて「精霊の守り人」でチャグムを助けた短槍使いのバルサに使いをだし、二人は再会します。



 「蒼路の旅人]の後書きで作者の上橋菜穂子さんは、『「精霊の守り人」でバルサとチャグムの物語を書いたとき、ふたりが世界を見る視点は、ずいぶんちがうだろうなぁということが、いつも頭の片隅にありました。

 バルサは国という枠組みからはずれた流れ者の用心棒ですから、「自分」という個人の視点からものを見ます。でも、チャグムは皇子。つねに「国」の視点からものごとを考えないわけにはいかない立場にいる少年です』
と書いています。



 成長して皇太子としての自覚を持ち始めたチャグムは、民を救うためにはロタ王国とカンバル王国との同盟が必要と考え、そのためには反対の考えを持ち国を封鎖している父帝を殺さなければならない。またロタとカンバルもチャグムが皇帝にならないと同盟を結んではくれません。

 けれどもたとえ敵でも人を殺したくないチャグムは、なかなか思い切れないのです。



 ロタ王国の中でも内紛があり、カンバル王国ではタルシュ帝国の手が伸びています。さらにタルシュ王国の中でもいろいろお家の事情があります。そしてこの世界と平行してある「ナユグ」では春が来て、それがこちらの世界の気候に影響を与えています。



 それぞれの国の事情や、登場人物の葛藤、「守り人」シリーズの最終巻は、またまた複雑な物語を紡ぎ飽きさせずに読ませてくれます。

 私はシリーズの中では「天と地の守り人」が一番面白かったです。









守り人シリーズの本 上橋菜穂子作・偕成社

精霊の守り人

闇の守り人

夢の守り人

虚空の旅人

神の守り人 来訪編・帰還編

蒼路の旅人

天と地の守り人(全3巻)




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by sacchyant | 2008-02-25 19:47 | 上橋菜穂子さんの本 | Comments(2)

蒼路の旅人 上橋菜穂子作

 上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズの7巻目です。



 新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは15歳になっています。

 ヨゴ皇国の宮廷では、もう子供とはいえないチャグム派と、3歳になる弟の第2皇子派の二つに分かれ不穏な空気になっているところへ、サンガル王国からの使者が来ます。



 北の大国タルシュ帝国がサンガル王国へ支配の手を伸ばしてきたので救援して欲しい、という内容でした。帝はそれに応えてチャグムの母方の祖父の提督を向かわせることを決定します。

 しかし「虚空の旅人」でチャグムに助けられたサンガルの王女から、それは罠でサンガル王国はすでにタルシュ帝国の支配下に入っているとの密書が届きました。



 その対応をめぐって、以前から不穏だった父の帝とチャグムは決定的に対立し、チャグムは祖父とともにサンガルへ向かうことになります。

 それはチャグムの苦難の旅の始まりでした。

 全3巻の「天と地の守り人」の序章ともいえる巻です。





守り人シリーズの本 上橋菜穂子作・偕成社

精霊の守り人

闇の守り人

夢の守り人

虚空の旅人

神の守り人 来訪編・帰還編

蒼路の旅人

天と地の守り人




 

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by sacchyant | 2008-02-24 12:41 | 上橋菜穂子さんの本 | Comments(0)

神の守り人 上橋菜穂子作

 上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズの5作目は、「神の守り人 来訪編」と「帰還編」の2巻からなります。



 女用心棒の“短槍(たんそう)使いのバルサ”と“見習い呪術師のタンダ”は、薬草を売りに来た草市で、ロタ王国から人買いに連れてこられたチキサとアスラの兄妹に出会います。



 兄妹は、森に隠れ住み昔ロタ王国の住民を苦しめた“タルマハヤ(おそろしき神)”を封じ込めた神殿を守る“タルの民”でした。しかし兄妹の母はアスラを連れて禁忌を破って神殿に入り、アスラはタルマハヤが乗り移って“サーダ・タルマハヤ(神とひとつになりし者)”となったのでした。



 そのためは母親は処刑され、怒りでサーダ・タルマハヤになったアスラは、タルマハヤを操って処刑の現場にいた人々を殺してしまいます。

 でもほかに何の力を持たず虐げられて生きてきたアスラは、タルマハヤは正しい神で自分は正しいことをしていると思っています。

 兄のチキサはそれを悲しんでアスラを元の優しい妹に戻したいと思い、用心棒家業で人を殺しその罪を背負っているバルサも、アスラを危ぶみ兄妹を助けようとロタ王国に行きます。

 

 兄妹の故郷のロタ王国では、北部と南部に別れ分裂の危機にあります。また将来の禍を絶つためにアスラを殺そうとするロタ王族に仕える呪術師スファルと、アスラの力を利用して王家のために使おうとするスファル娘シハナのたくらみが、複雑にからみ合って進行していきます。





守り人シリーズの本 上橋菜穂子作・偕成社

精霊の守り人

闇の守り人

夢の守り人

虚空の旅人

神の守り人 来訪編・帰還編

蒼路の旅人

天と地の守り人






 
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by sacchyant | 2008-02-18 19:07 | 上橋菜穂子さんの本 | Comments(0)

虚空の旅人 上橋菜穂子作

 「守り人」シリーズの4巻目ですが、短槍使いの女用心棒バルサは登場しません。かわりに「精霊の守り人」で、バルサに助けられた新ヨゴ皇国の皇太子チャグムが14歳に成長した姿を見せてくれます。そしてチャグムの学問の師で相談役の星読博士(ほしよみはかせ)シュガも。

(実はシュガがすき



 「守り人」シリーズは面白くて3巻まですぐに読んでしまいましたが、シリーズものはだんだん面白くなくなりそうな気がして、4巻目を読むのは躊躇しておりました。でも元日から風邪で寝込みお正月休みは寝たり起きたりだったので(もともと寝正月の予定だったけど、悲しい……)、面白く気楽に読める本を読みたくて読みました。



 「守り人」世界の国のひとつサンガル王国のカルシュ島に、この世界と平行してあるナユーグルからこの世界をのぞきに来たものがありました。それは5歳くらいの子供の魂を抜いて子供の目を通して見ると言うので、子供は「ナユーグル・ライタの目」と呼ばれ、王宮に連れて行かれ大切にもてなされるけれど最後は海に帰す、つまり海に落とすことになっています。



 またカルシュ島を初めとするサンガル王国の島々には、南のタルシュ帝国から侵略の手が伸びており、海の民の少女スリナァはタルシュ帝国の侵略を知らせ、捕らえられた父ときょうだいを救うため、王宮にいる幼馴染の王子タルサンを訪ねて海を渡ります。さらに「ナユーグル・ライタの目」になったエーシャナは、スリナァが可愛がっていた子供でした。



 サンガル王国は、国王が長男のカルナン王子に王位を譲ることを決め、譲位の儀式に出席するために新ヨゴ皇国のチャグム皇太子とシュガが王宮に来ています。 

 その儀式で、タルシュ帝国の呪術師に操られた次男のタルサン王子がカルナン王子を傷つけるという事件が起き、チャグムはタルサン王子と姉のサルーナ王女を助けて活躍します。



 「精霊の守り人」では、短槍使いのバルサや、呪術師のトロガイとタンダに守られていたチャグムでしたが、すっかり成長したチャグムの姿に、思わず「まあ、チャグム立派になって」と独り言を言ってしまいました。



 そしてタルシュ帝国に取り込まれて、謀反を起こそうとしているカルシュ島の島守りのアドルの妻は、国王の長女で夫の裏切りをうすうす気付いている、と筋立てと人間関係が複雑に組み合わさり、面白い話でした。

 そしてファンタジーの定石通り「愛と勇気と、少年少女の成長の物語」でした。





虚空の旅人 上橋菜穂子作・偕成社



 「守り人」シリーズ1作目の「精霊の守り人」のかんそーぶん






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by sacchyant | 2008-01-08 23:11 | 上橋菜穂子さんの本 | Comments(0)

精霊の守り人 上橋菜穂子作―はまりました―

 いまBS2で「精霊の守り人(せいれいのもりびと)」のアニメが放送されていて、そのメイキングの番組だったと思うのですが、作者の上橋菜穂子さんがこの本を書くきっかけが「若くない女が子供の手を引いている場面が頭に浮かんだ。でも子供は女の子供ではない」といっていました。



 女のほうは短槍使いの用心棒バルサで年は30歳。

(30歳は私から見るとまだ若いけど)

 子供は新ヨゴ王国の第二皇子チャグムで、命を狙われています。



 チャグムに討手を差し向けたのは、皇子の父の帝。母のニノ妃がそれとさっしてバルサに用心棒を依頼したのでした。

 なぜ父が息子を殺そうとしたか。

 

 世界はこの世界サグとあちらの世界ナユグがあって、ナユグの精霊は100年に1度サグの人に宿り無事に生まれると、その先100年間サグでは大きな災害が起きない。

 その年精霊に卵を産みつれられたのは新ヨゴ王国の皇子チャグムでしたが、帝と星読博士たちは神聖な新ヨゴ王国の皇子にそんなことが起こるはずが無い、起こってはいけないと、チャグムを殺そうとしたのです。



 わたしはファンタジーは、はまるか全然ダメかの、どちらかなのですが「精霊の守り人」にははまりました。 このシリーズをほかに2冊、続けて読んでしまいました。



精霊の守り人 上橋菜穂子作・偕成社

闇の守り人  上橋菜穂子作・偕成社

夢の守り人  上橋菜穂子作・偕成社




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by sacchyant | 2007-06-22 22:02 | 上橋菜穂子さんの本 | Comments(0)