明治天皇の玄孫にあたり「語られなかった皇族たちの真実」(小学館)の著作のある竹田恒泰氏と、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子氏との対談です。
「皇室の方はジャージを着て外出なされたりするのでしょうか」とか「メルアドをお持ちなのでしょうか」というソボクなギモンを、辛酸氏が竹田氏にぶつけ竹田氏が答えるという、たいそう面白い本でした。
(ちなみにジャージをお召しになって出かけられることはないけれど、竹田氏がさる皇族を訪ねたところジャージ姿でお出迎えになられたそうです)
しかしこんな話ばかりだけではありません。
ワイドショーなどが伝える皇室の話題といえば、皇族方がどこへお出ましになったとか、妃殿下がどんな服をお召しになっていたかとかいうことばかりのような気がします。外国や行事にお出かけになるのは、公務とはいえ一番大事な皇室のお役目ではありません。
竹田氏は、天皇陛下の一番大事なお役目は、日本国民の幸福を祈られることだと述べています。宮中祭祀ですが、マスコミが伝えにくい事柄だから仕方ないとはいえ、あまり報道されることがなかった気がします。
竹田氏は、宮中祭祀がどんなものでどんなに大事なことか、またその数の多さや体力的にも精神的にもきついもので、お年を召された昭和天皇が転倒されたこともあったと語っています。
そして三種の神器を祭っている賢所に仕える掌典職についての話など、興味深かったです。
さて秋篠宮若宮殿下が御誕辰されたとはいえ、皇室はこの先続いていくことができるのか。
私の知り合いにも、遠くない将来になくなると言う人がいるのですが、そのとき日本はどうなるのか。
私も竹田氏と同じく、おそらく日本という国のあり方が、決定的に変わると思います。そして日本人の祖先が続けてきた天皇制を、私たちの時代に終わらせてしまって良いのか。
面白いだけでなく、いろいろ考えさせられる本でした。
とはいえ、皇居がパワースポットになっているとかいう話には、ちょっとついていけません(笑)
皇室へのソボクなギモン 竹田恒泰・辛酸なめ子著 扶桑社