今までの人生で、何かを始めたけど続かなくて途中でやめてしまった……、ということは数限りなくあります。
たとえば日記というのはよくありますね。
そのほか手芸とか習い事など。
パッチワークは道具を集めただけで満足してしまいました。
先日ふとしたことで、「あ~あ、あれも始めてはみたけど途中でとまってしまってるなぁ」と思い出したのが、ひところベストセラーにもなった「えんぴつで奥の細道」
(あくまでとまっているのであって、やめたのではないのです)
書家が書いた字の上をえんぴつでなぞり書きするという本です。
2年ばかり前に私が買ったときも、「奥の細道」のほか「徒然草」とか「百人一首」「写経」なんてものもあったし、「大人の塗り絵」というのもありました。
書店の一角をこの手の本が占めていた時期もありましたが、今は落ち着いたのでしょうか、あることはあっても少なくなりました。
字を書くことは即ちキーボードを打つことになっている現在だからこそ、えんぴつで書くということが受けたのでしょうね。
わたしも紙に手で字を書こうとして、簡単な漢字が直ぐに思い出せずに愕然となったのと、下手な字が少しはましになるかとこの本を買ったのでした。
この本は芭蕉が書いた「奥の細道」を50の章に分けて、書家のお手本と、書家の字をなぞって書くページに分かれています。現代語訳や解説もついています。
もう私が書いてしまっているのでわかりにくいですが、右がお手本左がなぞり書き、緑の部分が現代語訳、下に解説があります。
夕食が終わって後片付けをした後、台所のテーブルで鉛筆をカッターで削ることからはじめました。
えんぴつ削り器ではなくカッターなのは、筆で書く前にすずりで墨をするときみたいに、気持ちを落ち着けて集中力を高めようとしたからです。
なぞり書きでそこまですることも無いですが。
書きながら、小学1年生のころ平仮名や漢字を薄く印刷したノートを、なぞり書きして字と書き順を覚えたのを思い出しました。
ちょっと困るのは、なぞることに神経が集中すると、漢字の書き順がわからなくなってしまうことでした。
結構楽しかったです。
ところが……。
37回目の「象潟」の途中でとまっています。
酒田のあたりまで行ったと思っていましたが、やっぱり近くですね。それに37回ならあと13回ではないですか。
楽しかったのに、なぜ途中でとまっているかといいますと、その前の36回「酒田」の最後に日付を書いています。
これは去年ではなく一昨年の12月21日です。
途中になってしまったのは年末で忙しかったのと、翌年の元日からイザ!でブログをはじめてしまい時間がなくなったからです。
せっかくここまでしたんだから、また続けようかなぁ。
えんぴつで奥の細道 大迫閑歩書・伊藤洋監修 ポプラ社